【コラム】新アイディは美術室から

師走の折、いかがお過ごしでしょうか。
まだ暑い日々の中、明治神宮に引っ越してきて早三ヶ月。
やっと片付いてきた矢先、年末進行になだれ込んでおり、創立記念日も明日に迫る季節となりました。
打ち合わせテーブルもなかった社内にもイステーブルが揃い、やっと落ち着いてお客様をお迎えできるようになってきました。
今回、引っ越すにあたって悩んだのがインテリア。
これまでのデザイナーズ物件と真逆で、小さいながら歴史あるヴィンテージマンションの一室、規模は変わらずですが机から何からサイズも違うので社内を刷新する必要がありました。
どんなテーマにしよう…
それが決まらないまま引っ越すことになり、イメージが曖昧なまま新拠点での営業がスタートしました。
日々片付けながら「しっくりくる」ものが見つかるたびにくっきりしていった新しい社内を表すテーマ。
それは結果として「美術室」になりました。

打ち合わせテーブルはアンティークのワークテーブル。
折りたたみできる脚はアイアンで、ボルトなどがないことから1930年代以前のものと推測されます。傷などは沢山ありますが油臭いということもないので、使っていたのは紙や布を扱う職人でしょうか。私たちと似たデザインワーク関連だったかもしれません。
代表の別所が、「使い込まれたテーブルがいい」ということで色んな場所に探しに行きましたがなかなかなく、たまたま近所のお店で使われない什器として隅においてあったものをお願いして売ってもらいました。
まさに出会いでした。
椅子はデンマークのスクールチェア。
1960〜70年代のビンテージチェアをリペアして販売しているのを丹沢の山がほど近い店で発見。
「学校?え…大きくない?」と思いきや、日本人と違ってヨーロッパの方々は背が高くおみ足も長いそうで…納得です。
日本人なら大人でも全く問題ない、むしろぴったりサイズ。
打ち合わせテーブルとも相性が良いものが見つかりました。
そんな出会いを経て、「美術室」っぽい空間にしたかったのには、理由があります。

昨今、テクノロジーの進化により、誰もが手軽に絵を描いたり写真を撮ったり、それを加工したり、簡単に共有までできるような時代となりました。
AIを使えば言語からイメージを起こすことも容易く、極端な言い方をすれば、日本国民、ひいては世界人類総クリエイティブ時代です。
そんな中で、我々デザインを仕事で志す者、とくにクリエイティブとテクノロジーの両者がまだ少し遠かった90年代以前に青春時代を過ごした人々は、十代の頃から「絵が好き」「美術が好き」という人が多く、それが原動力の源泉になっているクリエイターは多いと思います。
25年以上前にクリエイターとして社会に出た人々は少なからず、みんな殆どがそうでした。
だからこそ、私たちクリエイターの起点ともいえる心の拠り所はどこだったか?
「人の手」で作り出した経験をもっている人間の原点を振り返る時、それは「美術室」だったなあ、というのが私たちの結論でした。
紙の質感。そこを滑る鉛筆の音と振動、絵の具や筆の匙加減、油の臭い、見るたびに表情が違う石膏像。そんなものが詰まっている画材で汚れた美術室。独特の空間のなか、手を動かしながら模索し、五感に刻まれた記憶は、体験した人だけに沁み込んでいる原点です。
無から何かを自分の手で作り出せる楽しさ、無限の可能性、そんな自分起点の「つくりたい」原動力。
パソコンと向き合うデザインワークが多い弊社は、一見すると無機質になりかねません。だからこそ人の手を感じさせるものを社内に置きたい、という別所の強い願いもありました。
これから、好きなポスターなどでデコレーションしていきたいと思っているところで、まだまだ社内づくりは道半ば。
ですが、この新たな秘密基地では「美術室」に立ち返ったマインドで、クリエイティブ・ファーストを大切にアイディは再スタートしています。
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